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まとめサイトが消えたお話

  • 6月8日
  • 読了時間: 6分

更新日:6 日前


少し前の話ですが、FF14関係の某まとめサイトがスクウェア・エニックスの発信者情報開示請求によって閉鎖となりました。ゲーム業界にとどまらず、かなり大きな騒動となりましたのでご存じの方も多いでしょう。


理由は、FF14の開発等に関わる方々への誹謗中傷とのこと。スクウェア・エニックスと運営者の間での和解金解決があり、謝罪文の掲載とサイト閉鎖が決まったため訴訟には発展しなかったようですが、今回のスクウェア・エニックスの一連の対応は、ネット上に醜悪なヘイト投稿が急増しているなか、非常に適切で効果的な措置だったと思います。


現に、今回の動きの影響を受けてか、他のまとめサイトも閉鎖せざるを得なくなったという事例が出てきています。私たちONE FOR SEVENも、過去、当該のサイトに事実無根の情報を流布された被害者ですし、ソーシャルエンジニアとして〇〇〇が無くなるようにと動いている立場として、今回の動きは非常に好意的に受け止めています。



■ なぜまとめサイトが流行るのか?


無料のSNSが台頭し、中身のない短文やショート動画に触れる人たちが急増したことで、自分の頭でしっかりと考える習慣を持つ人が本当に少なくなりました。長文や活字、本が読めない。集中力が続かない。いわゆる『ポップコーン脳』というやつです。


安楽な情報に惑わされた結果、正しい知識や精度の高い情報を選別しながら取得して、論理的に思考する能力が奪われてしまった人たちは、自分が感情的に受け入れやすい答えや正解ばかりを、手っ取り早く誰かから与えてもらう受動的な状況を好みます。


その結果、センセーショナルなタイトルをつけて、読み手を安直な感情(特にネガティブな)でアクセスさせて、お金を稼ぐことが目的の情報サイトが流行り出しました。安易な情報に飛びつく人たちは、ただ楽をしながらドーパミンを得たくてスマホをタップ&スワイプしているだけなので、書かれている内容の真偽を検証することはありません。情報を得たという一時的な快感さえ得られれば、手に取った情報が嘘でも別に構わないという短絡的な心理が働いているからです。



■ 情報を発信する側の責任


膨大なアクセス数を稼いで収益を上げているサイトに掲載されている情報の多くはネガティブな話題です。誰もが明るく笑顔になれる楽しい話題がアクセス数を稼いでいるというケースもゼロではありませんが、ネガティブな情報の拡散に比べればとても少ないです。


なぜなら、人間の脳(や感情)は、ネガティブで不快な情報に対して過度に反応するようにできているから……。そのほうが儲かるんです。


誰それが失敗したとか、


あいつはこんな悪い奴だとか、


ゲームでこんな不快な思いをしたとか、


XをはじめとするSNSやまとめサイト、匿名掲示板や動画サイトまで。情報の大半はネガティブで暗い話題ばかり。コメント欄には、誰かを非難したり攻撃したり悪く言うようなもので溢れかえっています。


悪辣な情報サイトの管理者は、アクセス数を稼いでお金を稼ぐことしか考えていませんから、掲載した情報の質や真偽を検証するなんてあり得ません。ましてFF14コミュニティの発展に貢献しようなんていう健全な動機はほぼ皆無です。


今回のスクウェア・エニックスの判断は、そういったFF14を取り巻く負の部分にメスを入れたという意味で、大きく評価できると思っています。


公益性なく他人を誹謗中傷する投稿を金儲けのために利用して、掲載しつづけた人間が責任を重く問われるのは当然のことです。



■人は情報に踊らされている


私はソーシャルエンジニアとして、日々膨大な情報に触れていますので、情報がもたらす恐ろしさについては理解しているつもりです。


現代社会は、人類がこれまで経験したことのないような大量の情報が流される環境になっています。少しでもネットを利用していると、知りたくもないような情報がSNSなどの無料サービスを通じてシャワーのように浴びせかけられます。


そして、冒頭でも述べたように、多くの人は情報を選別したり検証したりする能力が奪われてしまったので、たとえ間違った情報であっても、もっともらしいインフルエンサーや掲載サイトが情報発信していると、いとも簡単に鵜呑みにして騙されます。多くの人は、情報の「質」ではなく「量」で判断しているからです。


『嘘も100回いえば真実になる』


これは『真実性効果(Illusion of Truth Effect)』と呼ばれる現象。嘘でも繰り返し聞くことで本当っぽく感じてしまいやすいという脳の傾向から生まれる、社会工学にも利用されるほどメジャーな心理効果です。


ここでは詳しく書きませんが、現代人は、ネットから浴びせかけられる如何わしい情報を刷り込まれて、無意識下でコントロールされている側面があります。


SNSは、投稿へのアクセス数を伸ばすために、ネガティブな情報が拡散されやすいようなアルゴリズムが仕組まれています。


炎上、対立、恐怖、不安、怒り、嫉妬、比較、劣等感、煽り。


毎日、こういったような情報が終わりなく次から次に流れてきます。


けれども、本来、脳は他の臓器と同じで、大量の情報を簡単には処理できません。情報を得れば得るほど疲弊していきます。ネガティブな情報に触れれば触れるほど興奮状態が収まらず、徐々に精神を削っていきますし、気づけば性格や人格、人間性まで変えてしまう。情報というのは、それほどまでに恐ろしいものです。


最近、マンジャロという糖尿病治療薬を「やせ薬」と喧伝されて、それを信じてしまった人たちが安易に接種して重篤な健康被害を受けているという事件が報道されていますが、これも「情報に踊らされて目先の利益を優先してしまった人たちの末路」という側面を感じてしまいます。


もっといえば、「痩せているほうが魅力的」という価値観も、メディアが長年かけて情報を流し続けた結果に起こる、人々の認識かもしれません。


情報は人を操る力を持っています。



■ 情報にコントロールされないために


情報にコントールされないためには、情報から一定の距離を置く。単純ですがそれしかありません。私も日々それを心掛けています。仕事以外ではなるべく情報に触れないようにしていますし、SNSもまったくやりません。くだらない中身のない情報を浴びる暇があるなら、良質な本を読むようにしています。


20数年前。インターネットの黎明期こそ、たくさんの情報に触れて自分の思考や知識をブラッシュアップしていましたが、ネットが発展し過ぎてSNSが台頭してしまった今は、真逆の考え方です。


可能な限りインターネットのサービスを利用しない。


なるべく雑多な情報には近づかない。


FF14の吉田プロデューサーもおっしゃっていましたが、生活を継続するために必要な情報はそれほど多くありませんので、今のスタンスで不自由をしたことはありません。


過去に得てきた質の高い情報と、そこから得た思考さえあれば、安全に・健康に生活することは十分できますからね。


多くの人は前へ進むことばかりを考えますが、情報過多となってしまった今の時代は、どこへ戻るべきかを考えても良いのかもしれません。



 
 

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